心を聴く
20年以上、電話相談の運営をしてきた。その過程でたいせつな業務のひとつが、相談員育成だった。最初は手探りだったが、それなりに「育成講座」として方法論が整理されて体系化できた。それをセミナーなどで講演するためにまとめたのが「聴き手も満足―聴き方教室・実践編」。なぜ、聴き手も満足か?電話相談に限らないのかもしれないが、悩みや苦痛を解消するために相談してきたひと(相談者)に対応して、終了時に声(対面なら表情)が軽くなった、明るくなった、などの手応えがあると相談員の消耗が軽い。その手応えで、相談員の技術力もさらに向上する。そんなわけで、実践編の8か条。
1、真っ直ぐ向き合う(認める、寄り添う)
2、領域の専門家を知る(共有する)
3、当事者のための時間である
4、聴ききる = 語りつくす
5、映像で観る(思い、描く)
6、共感する
7、あと2秒
8、余韻をたいせつに
この1つ1つを、相談事例をしめしながら注釈(説明)していくのだが、実は「やってはならない」偏がある。こちらは「聴き方教室―たいせつな9か条」。
1、言葉を準備しない
2、否定しない
3、評価しない
4、説教しない ×そのうち楽になります
5、比べない
6、まとめない
7、指導、命令しない ×がんばってね
8、言い換えない
9、あやまらない ×お役にたたずごめんなさい(当事者に謝罪は負担)
相談員のための、という前提でまとめた8か条と9か条だが、暮らしの中で常にたいせつな人との向き合い方だと実感し続けて来て、いまもそう感じている。
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