今年は急がず
今年の<買い物記録兼3行日記兼メモ帳>の最初のページ、最初の行「2019年は仕事も私事も、やや動き過ぎではあったが、充実していた」。本来なら年の瀬に書く「締めのことば」かもしれないが、年末から娘の家に滞在していたので書く暇がなかったため、年の初めに振り返っている。2019年の日本全体の雰囲気も、そんな感じではなかったか。オリンピック開催に向けて、賛否の議論は積み残しつつも、あらゆる事象が積極的な方向に流動した1年だった。
そして、メモ帳の次の行では(娘の家の)近くに、皆で初詣に出向いて、おみくじを引いたことが書いてある。「中吉。今年は急がず地道に進むこと。狙いすぎずこれまでの道を歩めば、結果は必ずついて来る。急いで何かを新たに始めることは控えるように」。このおみくじのこと、書いてそのまま忘れていた。それを思い出したのが、2月に新型コロナウイルス感染症が拡大し始めて、ある医療系学会でのイベントの中止が連絡されて来たときだった。学会内のある講座で講演を依頼されていたことから、関係者の混乱ぶりが身近に想像された。
感染拡大は3月末でには収まるかもしれないと(おそらく多くが)思って様子をみていたが、それが希望的観測だったと次第にわかってくる。そんな中で、つばさの5月の企画もWEB開催へと急カーブをきった。2020年は、2019年までとは違う時間軸へと変化したのだった。そして、「リモートワーク」は、使い慣れないまま、無理やり人々の暮らしに侵入してしまった。
やがて初夏から夏へ、そして9月へ。世界の激変の中で、私も小さな法人運営者として、進むべきか引くべきか、数々の判断を繰り返してきた。その日々、念頭にあったのが年初のおみくじの「これまで(2019年まで)の道を歩めば…」という一節が、冷静になるよう、私への警句となった。もちろん、昨年までのたくさんの出会いがあったからこそ。自信をもって「地道に」。どこかで目にした素敵な言葉、<時は流れない。それは積み重なる>。
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