なんということか
訪問診療の先生が殺害されてしまった!そのニュースに触れてから、思考が停止したまま。悲しくて、悔しくてたまらない。
優しくて熱意溢れる医師だったとのこと。優しい人だから「その危険」に気づかず、あるいは気づいても「人の心に潜む悪意」なんて知らず、その場に赴いたのだ。きっとそうだ。そう思うとまた涙が沸いて来る。
血液の領域でずっと、医師や看護師やコ・メディカル等の医療者が、その責任感で、苦労を厭わず365日働いていることを、敬意を持って見て来た。患者が苦しまないでより良く闘病を続けられるよう、最大限の尽力を続ける人達。今のこのコロナパンデミックの中では、何倍ものご苦労が伴っていることだろうな…、と及ばない想像力を駆使しながら、畏敬の念を持って見て来た。
訪問診療は、暮らし慣れた家と地域で患者さん達が気持ちよく闘病できるよう対応するために、近年になって構築されてきた。血液の領域では、在宅で輸血まで可能にしてもらえている。「必要な機材も人材も病院に全て揃えてあるから、医療を受けたい人は来てください」というこれまでの体制から、必要なものは全て持って行きますのでお家で待っていてください、という優しくて能動的なスピリット。医師や看護師が、訪問診療や訪問看護に転換しようとするとき、おそらく相当の気持ちの入れ替えをなさるのではないか。そう拝察しながら、血液領域の訪問診療に期待しながら見続けていた。そんな折の痛ましい事件だった。
なんということか…。それ以上の言葉が見当たらない。
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