笑顔

以前から気に入っていた居酒屋で、今年1月に入ってから久々に美味しい時間を過ごした。コロナ禍が広がってから3年ほどご無沙汰していたかもしれない。そのお店は神楽坂の少しはずれにある。

店の外観の風情も料理の品揃えも古民家改造風の内装も全て‘武骨’という表現があたっているかもしれない。フロアはコンクリートだし、天井は無いし、おでんの大根は真っ黒でお皿の真ん中にドカッ。刺身の4点盛り(必ず6点盛ってサービスしてくれます。お返しに必ず感激してお礼を述べます)の新鮮さと、それによく合う日本酒の品ぞろえが嬉しい。一方、T.K.G.(卵かけごはん)やら、カツサンドなんてものもあって、武骨な店はこうでなくちゃ、と思わせてくれる。そして、板場はもちろん、立ち働く店員さんも全員が男。この男性たち、金髪のにいちゃんから丸坊主のおっさんまでいろいろだが、とても笑顔が嬉しくて気持ち良い。

そんなこんなの良い店だなとずっと思っていたが、「あること」に今の情勢だからこそ気づくことになったのだ。1月のその日も気の合う友人といつもの「喋る・笑う・飲む」で過ごしていて、あ、と思った。店員さん達の笑顔が嬉しいことに「改めて」気づいたのは、全員マスクしてないからだ…。

笑顔が見える、口元が見える。これって、何とも言えず人の世の当たり前ではないか。微笑んで見せることができるのは人間だけだ。ちょっと笑顔を作る余裕があれば、多くの摩擦は回避できる。早くこれが無理なく通常になるといいが。と、そんな当たり前のことを教えられた気がした。店の経営者か店員さん達の総意かわからないが、マスク無しで行こう、と決めたんだな、とその覚悟みたいなものを感じて気持ち良かった。

A.Hashimoto's blog

母の心、ふんわりんりん…

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