血小板

長男がCMLに罹患したことから血液がん・小児血液腫瘍の情報提供活動を続けて来た。始まりは36年も前のことだが、私は当初、CMLのCはChildの頭文字?と思ったくらい無知だった。それはそうだ、大学での専攻は社会学で、知人友人に医療関係者はゼロだった。

それから、関係領域の医師や研究者から血液のなんたるか、看護師やコ・メディカルから患者のより良い闘病、出会った多くの製薬企業の社員さんから新規薬開発の最前線などを学んで来た。おかげさまで今はCMLの‘C’はChronic myelogenous leukemiaの最初のCだとわかる。そして、正しく理解できると少し気持ちが落ち着いて、 次を考える余裕や、次へと行動を移すパワーが沸いて来る。つまり、知は力、なのだ。だから今も情報提供活動を続けている。

そんな36年間の中の、20年くらい前だろうか。夏のある日、私は実家に居て母とお喋りをしていたのだが、ふと母が自分のすねの辺りを見せて、紫斑病なんだよ…、と言う。なるほど、すねだけではなく腿の方にも皮膚の内側から染み出してきているような紫の斑がある。ただ、母が普通に元気そうだったことと、その頃既に血液には素人としては詳しくなっていたが、血小板の疾患名は知らなくて感心が動かなかった。MPNもITPもそれより後になって単独の病名として認識されるようになったのだ。その後母の紫斑病は悪化することもなく、いつの間に消えてしまったようだ。家族の間ででも話題になることなく、私も忘れていた。

ところが近年になって、ダニや羽虫の何かに射されることで紫斑病のような斑が出て、時には腹痛を伴うこともあるということを知った。そう言えば、と思い当たるのが私の弟のこと。大人になってからの弟が、「俺は特異体質でさ、皮膚を切ってもあっと言う間に血が止まるんだよ」と言うのだ。実は弟は10歳くらいの夏、スズメバチに刺されて、片方の腕が胴体と同じくらいにはれ上がって暫く寝込んだことがある。もちろん、それと大人になってからの「血が直ぐに止まる=血小板数が多い」と関連付けられるのかどうかは不明。そして弟は、40代の頃のある日、突然両足が異常に腫れあがって歩けなくなり、原因不明のリンパ浮腫で国立国際医療センターに1月ほど入院したことがある。

母の紫斑病、弟のリンパ浮腫と本人‘曰く’の異常体質、などが血小板と関係あるのかどうかはわからない。私にわかっていることは、私は血小板についてよくわかっていない、ということだ。白血球、赤血球は触れる機会が多かったが、今後ぜひ一度、専門家から血小板について学びたいと思っている。

A.Hashimoto's blog

母の心、ふんわりんりん…

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