ご機嫌
お正月だから、近所の八幡神社も散歩のコースに含めることにした。参拝者が往年ほどではないもののそれなりにいて、参道には出店も並んでいる。入り口となる鳥居の下に石段が7段。そこから参道となって10メートルくらい。そして‘あ・うん’がおわす門へと上がる石段が48段。
鳥居をくぐって歩き始めるとシニア夫婦の男性のほうと一瞬並んで、直ぐに通り過ぎたのだが、その時その男性のぼやきが耳に入った。「ったく、なんで俺が次々に人を避けなくちゃならいんだ?」。なんで?って。ぶつかったらお互いに困るからでしょう。でもおそらく「相手が避けるべきだ」「女子供が生意気に」とでも言いたいに違いない。少し遅れてついてくる妻らしき人は肩で息をしている。あの数段の石段を上っただけで、と気の毒になった。夫は歩行が辛い妻に手を貸すでもなくさっさと上がり、えらっそうに構えているから参拝を終えて楽しそうに帰る人たちとぶつかりそうになるのだ。私は、さてはあなたは仕事でそこそこの地位に就いていたのかな、しかしその出世は、横にいる妻が支えてくれたから、だったのでは?などと内心で呟きながら、あのぼやきを振り払いたくてスタスタスタスタ…と一気に石段を登りきる。
暮れにカレンダーを買いに。デパートの文具コーナーがあまりに混雑していてじっくり選べないことと、手帖だけは直ぐに決めて購入した時、店員の態度がやけに不機嫌だったのでカレンダーは止める。カレンダーは1年間ずっと視線に入り続けるものだから、こんな態度の店員から買いたくないな、と思ったのだ。そこから文具もある老舗の書店に移動。そこで期待通りのカレンダーに出会えたことと、店員さんの落ち着いた穏やかな対応に「さすがですね」と感じ入る。おかげでよい買い物ができた。
行きつけの自然食専門店でも「その人」の対応はいつも笑顔で、ご機嫌がよさそうで、気持ち良い。人と人の中で暮らす日々、こうありたいものだと思わせてもらう。
ご機嫌は、伝播する。そしてこだまのように、放てば返ってくるものだ。老舗の書店の男性店員さんも、自然食店の女性店員さんも、「鬱屈がないはずはない」のにご機嫌よさそうに仕事をしている。私も見習って、2025年をご機嫌よく行こう。
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