あやまらないで

新型コロナウイルスに感染して治療を受けた‘有名人’が、退院してから、「たいへん多くの人に迷惑をおかけして、申し訳ありません」と謝罪するのを見て、気持ちが沈んでしまった。なぜ、誤らなくてはならないのだろう。治ったとはいえ、それまでは病気だった人だ。

病気は辛い。発熱の経験は誰にでもあると思うが、平熱の時と心身の状態が全く違う。私は扁桃腺肥大がある子どもだったので、冬場は高熱を出して何度も寝込んだものだった。急速に熱が上がる時は、もうろうとする頭の中で「具合悪くない時って、どうして平気で動いていられたんだろう」と、せつなくも不思議な想いにかられていたものだ。あー、苦しい…、と掛け布団を跳ねのけながらかすれた声をあげたこともあった。頭が重苦しい、お腹が痛い、全身がけだるい。明日のこと、仕事上のスキル向上、ライバルとの競争心。健康な状態であれば人間としてたいせつな前向きの志向が、病の心身にはまったく受け入れる余地・力が無い。それが病気ということだ。そしてそれは、患者を見守る家族達にとっても同じ、集中力や平常心が失われている状態なのだ。

だから、病から復帰して来たら、「治りました!しばらく追加で静養して、体力回復に努めます」で十分ではないだろうか。せいぜい加えるなら、今後共宜しく!で、どうでしょうか。

A.Hashimoto's blog

母の心、ふんわりんりん…

0コメント

  • 1000 / 1000