Happyな5日間

家に居られる日は、毎夕7時半から、NHK-FMでクラッシックを聴いている。聴いている、ほどではないかな、番組にチューニングして、流している。一日の仕上げの時間。慌ただしくて読めなかった朝刊に目を通したり、時には「もう今日はこれでよし」とワインをグラスに注いでいるような、そんな時の背景として、私にはクラシックがちょうどよい。

そんな「ながら」視聴者の私が、先週は毎日夕方の7時30分を待ちわびて過ごすことになった。5日間、バイオリニストのアイザック・スターン生誕100年記念の特集番組だったのだ。番組には日本人バイオリニストの大谷康子さんが登場していて、「私の大好きなスターン」のことを楽しそうに語っていたが、それも良かった。

アイザック・スターンは、ウクライナに生まれてアメリカのサンフランシスコで育った。もちろん後に世界に知れ渡ることになる人だから、幼少のころからバイオリンの才能を煌めかせて…、というストーリーは脇に置こう。音が、バイオリン一丁で奏でているの?というくらい豊かなボリュームを持っている。実物のステージを聴く機会はなかったのでアルバムなどにある写真でしか知らないが、演奏中も人と語り合っているときも、表情がともかく楽しそう。おそらく音楽の世界にも「才能」は溢れていて、神童やら天才と称賛されつつもなお常人にはかなり知れない努力を重ねて「名のある」演奏家になるのだろう。その豊かな果実を私たちはいただいて、悲しみや疲労を癒し、失われそうな希望を温め直すのだと思う。中でもスターンの明るい音色に、私は「自分のしていることに自信を持って良いのでは?」という優しいメッセージ、励ましをいただける気がするのだ。

アイザック・スターンの名演奏に存分に浸れて、Happyな5日間だった。

A.Hashimoto's blog

母の心、ふんわりんりん…

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